大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和32(オ)460 判決

主 文

原判決中上告人敗訴部分を破棄し、本件を東京高等裁判所に差し戻す。

理 由

上告代理人吉永多賀誠、同工富工の上告理由について。

原判決の認定する事実によれば、被上告人は将来配給の割当を受くべきことを予

想して昭和二三年八月三一日D工場から食糧配給公団所有の原判示の生澱粉二〇二

五貫を受領したところ、その後ついに右生澱粉について配給の割当が行われなかつ

たというのであり、原審は右確定事実に基き被上告人は法律上の原因なくして右生

澱粉二〇二五貫を利得し食糧配給公団にそれだけ損失を蒙らしめたとして、原判示

のように被上告人に不当利得返還義務ありとなすについて、右の不当利得の数額を

算定するに際し、右生澱粉の販売価格統制額について昭和二三年八月七日物価庁告

示第六〇八号を適用している。けれども右告示第六〇八号は、食糧配給公団が主食

用として販売する場合の澱粉の販売価格の統制額を指定するもので、主食用として

販売する場合でない場合には同告示は適用されるべきではないと解されるところ、

本件生澱粉は被上告人が焼竹輪製造原料として受領し、消費してしまつたもので、

主食用でなかつたことは原判決の認定事実において明らかに看取できるのであるか

ら、原審は告示の適用を誤つたもので、右法令の適用の誤りは、原判主文に影響を

及ぼすものといわなければならない。

よつて、民訴四〇七条一項に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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裁判官 山 田 作 之 助

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